バカになったのに

今、風呂上がり。部屋にも居場所がないから変な体勢でスマホと向き合ってる。

俺は相変わらず、いつまでも自分のことだけ考えてて、でも、やっと少しずつ、何も分からない状態からは抜け出せてるような気がする。いつもみたいな根拠のない一瞬の自信かもしれないけど、自分に対して卑屈になり続けて、いじけていたからこうなったんだって最近気づいたし、もう俺はいい加減自分のことくらい信じてみたいんだ。俺の思考を支配する呪いや色眼鏡をここに置いて、もうそこへ帰りたくない。例えば、今の俺は少し気分が楽で、友達や家族、世界に対して愛おしくも思えてしまうような自分。そんな状態は歯痒くて居心地が悪くてどうしたらいいか分からなくなる。俺は常にギリギリで、人のことを憎んだり恨んだり、世界に対して斜に構えていて、本当の心の底へは誰の声も誰の愛も届かないようにしなければならないって、そうとまで思わされる。人と会って帰ってきて満たされた夜なんてのはどうやってその場所にいればいいのか分からなくなる。幸せになりたいけど、幸せな状態の自分は空っぽにみえるし、何をする気力もなくなる、というか。教室で誰ともうまく話せないことだって俺は呪いと呼んでる。身動きの取れなくなる状態まで自分を遠ざけて、わざと逃げて、わざと苦しんできた。散々無理してバカになった。

多分、俺は本当の自分を見るのが怖いんだ。つまらなくて、個性がなくて、誰も気付かないような存在で、そっちの自分の方が苦しいはずだよ。劣等感やずっと感じてる恥ずかしさ、苦しさ、寂しさ、それらのおかげで俺はギターを指がボロボロになるまで弾けたし、映画を観ようと思えたし、色んな場所に行ってみたりできた。でもそれは自分を大きく見せてるだけのことで実際の俺は今でも空っぽなんだ。もし自分や日常に対して何の疑問も持たずに生きれたら、もし教室で眠ることができるくらい学校やクラスメイトに警戒心がなかったら、っていつも思ってるけど、きっとそんな自分も、何も知らない気持ちの悪い奴だったと思う。当たり前だけど、過去に戻ることはできない。それなら、自分で自分のことを抱きしめるし、大丈夫だから、全ては変わらないし終わらないし不安にならなくなっていいから、今までのこともすべて心の大事な部分にしまって、卑屈にならず、呪いを解いて、プライドやこだわりを捨てて、つまらなくたっていいから、人を信じたり、みんなの考えることを考えたり、愛を歌ったり、してみたいよ。ここまでずっと長かったけど、結局のところ全部は俺のせいだけど、これ以上自分を嫌いになりたくないから、そもそも自分のことが大好きだからこうなってると思うし、だからもう全部大丈夫だから。もう今日は寝るよ。

あの子の後ろ姿、教室で見続けて、でもなんか最近は元気がないように見えて、もしかしたらその子の席の近くのかっけー奴と仲良くできてないからなのかなとか思って、とにかく俺はあの子に元気でいてほしい。俺のためのものじゃなくたっていいから、いつもみたいな、にこーってした顔を見せてほしい。君の笑い方と笑い声が大好きなんだよ。君が嫌な思いをしてるなら、どうにか幸せになれるようになんでもしたい。なんて気持ちの悪い被害者ヅラした言葉を言ってみたけど、全部が全部嘘じゃないんだよ。君の写真を見ながらピーズを聴いて、泣いた夜だって何回もあるんだよ。俺ほど醜い人間が愛なんて知れるわけもないし関係のない言葉だけど、俺にとって君は少し特別なんだ。ただそれだけなんだよ。明日も、耐えて、汗かきながら教室に、ふてくされた顔して俺が座ってると思うけど、眼中にもないと思うけど、本当は君とアイスクリーム食べたいな、とか考えてるんだ。これも全部あの子をダシにした俺のオナニーなのかな。"絶対的な理想の女の子に叶わない片思いをしている純情な僕"を演出してるだけ?自分の醜さに気持ちが悪くなって、一刻も早くここを閉じたくなったから、おわりにする。今日も変われないままで。おやすみなさい。