17才

今さっき、17歳になった。

憧れだった17歳、もう大人になれてると思ってた17歳、何かとすごいらしい17歳。

本当は土手で歌でも歌いながら迎えようとしてたけど、生憎の雨。明日も1日雨らしい。そりゃないよ。だからどうやって過ごせばいいのかソワソワしちゃって、0時が近づいてベッドに入ってYouTubeで17歳って調べて出てきた森高千里の『17才』を聴いてたらいつの間に歳を取ってた。

ピッタリにお母さんからだけ電話が掛かってきて、俺なんかにとっては当たり前だけど、俺に友達がいないと言わんばかりの静けさで、寂しかった。まぁわかってたけどさ、みんなは多分たくさん祝われるもんなんだろうな。

明日の学校も多分ずっと苦しいけど、俺のことなんて誰も気づかないし、知らないし、誰も興味がないことが当たり前の状況なんだから、笑顔でいようと思う。悲しくても寂しくてもずっと笑顔で。最近の俺は教室では笑顔でいられる時間が0と言っても過言ではないくらいだけど、可哀想って思われたくないしさ。寂しいな。誕生日とか、クリスマスとか、ハロウィンとか悲しくなるだけだよ。自分がどれだけ1人かって思わされるだけだよ。みんな嫌いだ。

これから変わる、なんてことは多分無理で。俺のこの凝り固まった苦しさと悔しさと寂しさと偏屈で窮屈で曲がった考えは、まず柔らかくなるべきなんだ。どうしたらいいかって考えるけど結局、すぐ来る明日の小さな所からなんだよな。ボロい登校靴を履くとき、躊躇いながら家のドアに手をかけるとき、改札を通るとき、可愛い女の子とすれ違うとき、教室に入るとき、友達と話すとき、いちいち緊張して、泣きそうになって、嬉しくなって。嬉しくなることなんて最近本当に無いけどね。空っぽだしさ。でもそんな日々も実は楽しんでるんだよな。ひとりぼっちに恋してる。ひとりぼっちであることから離れられない。もうずっと、ひとりで勝手に拗ねて、みんなのこと睨んでる。誰も俺のことなんて見てないのに。これはもう呪いだ。最近の俺は、昔よりずーーっと目に見えないものを強く信じてるし。

今も17歳、17歳、17歳って頭のなかでずっと反芻してる。無茶しなきゃ嘘だろ。17歳って。うん、きっとそうだよ。全部のことしたいな。健やかに笑いたいな。たくさん泣きたいな。たくさん寝たいな。こぼしちゃったもの取り戻していきたいね。目標なんて俺の今までを見てると立てるだけ無駄だから、嫌になるけど、なにか起こるって信じてる。それだけ。全部が起こるよ。ハッピーバースデイトゥーミー